ミュンスターで得られたもの

法学部富田 優香TOMITA Yuka

私がなぜミュンスターに留学したいと考えたか、その本当の答えは、実はミュンスターに行ってから、もっと言えば、日本に帰国してから気づきました。もちろんミュンスターの留学環境の良さや、短期の留学を経験し、長期の留学を考えていたという理由はありました。

実際、ミュンスターの留学生にとっての環境は良いと思います。何より素晴らしいのは、世界各国の友人と出会え、その友人たちから多くの刺激が得られることです。私は多くの法律系の講義は英語で受講していましたが、その講義で出会った友人たちはみな英語が非常にうまく、ドイツに留学していながら、英語に対しても、毎日刺激を受け、ドイツ語と並行して上達させることができました。友人たちと比べ、英語がそこまで上手くなかった私ですが、不思議と引け目を感じることなく、付き合うことが出来ました。なぜなら、その友人たちも英語のネイティブではなく、一生懸命勉強して上達させてきた人で、同じ悩みを経験してきたからです。出会った友人たちはそのような素敵な人ばかりで、非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。

また、大学以外でも交友関係を広げることが出来ます。私はある日、スーパーで出会った、日本語を学んでいるドイツ人と知り合い、タンデムとしてよい関係を築き、その友人とは今でも親友で、連絡を取り合っています。このように、ひょんなことから素晴らしい友人に出会い、世界がまた少し広がり、留学がより豊かなものになるという経験は、留学が終わったあとの私の人生を深みのあるものにしてくれています。

もちろん、留学にあたっては楽しいことだけではなく、大変なことはたくさんあります。しかしだからこそ、友人との出会いがより輝き、困難を乗り越える力は、自らの財産となると思います。私は帰国した今、ミュンスターでの生活を振り返ってみて、それを経験でき、本当に有難いと思っています。

留学をする目的として、「世界がひろがる」「視野を広げたい」という声はありきたりであるという声をしばしば耳にします。しかし、私はそうは思いません。なぜならそれは事実であり、むしろそれが最も豊かな“財産”として留学終了後も人生を色づけてくれるからです。今、「留学」という言葉に少しでも興味がある方は、少し勇気を出して、ぜひその「世界」を見てほしいと心から思います。